少子化・マタハラ論に足りない労働問題(雑誌掲載記事無料公開)
雑誌『POSSE』編集長の坂倉昇平です。
今年6月、東京都議会で女性の妊娠問題について発言する女性議員に向けられた「早く結婚した方がいい」などの野次が問題になりました。発言者の責任追及や再発防止が重要である一方で、こうした発言が生まれてしまう背景にある労働問題は、さほど注目されていません。
同じ6月には、安倍政権の「日本再興戦略」改訂版が、「日本が成長を持続」する鍵を握っているのは「労働力人口を維持」し「労働生産性を上げて」いくことだとして、「女性の活躍促進」を掲げました。ただし、その直後には「労働時間の長さと賃金のリンクを切り離した」いわゆる「残業代ゼロ法」が提案されています。
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