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造本のスタイル

 聞いたことがない版元だなあ、と思われたことでしょう。小社は出版の仕事を始めたばかり。あまり深く聞かないでください。出版業界が大変なことも良く知っています。でも、やりたいんです・・・。とういうわけで、皆様に役立つ話しはできませんので、ご容赦を。

 恐らく私はかなり異なるスタイルの造本をしていると思う。翻訳出版という性格もあるが、レイアウト済みの電子データ(FrameMakerや QuarkXPressと画像データ)を海外の出版社から支給してもらい、特殊なデータベースを併用しコンピュータ上で上書きするというプロセス。出版業を始める前はローカライズという仕事に携わっていた。簡単に言うと、英語のソフトウェアの日本語版を作る作業。つまり、ソフトの機能やレイアウトを変更せずにメニューなどが日本語で表示されるようにする。ちょうど、外国映画の日本語版を作るようなものである。

 コンピュータ業界や映像産業は近年大きく変貌した。私が学生時代に出版された『第三の波』でトフラーが予言している事が既に陳腐化しているほどである。リニア編集からノンリニア編集、そしてDVDなどに代表されるマルチメディア&ポストプロダクション技術の進歩も凄まじい。昔は紙テープ式のテレックスで海外に電報を打っていたが、今ではパソコンでネットミーティングができる。電子メディアタイトルでは、モニタ画面上で犯人の画像上にメニューを表示させて、リモコンから「Enter」を押せば、その犯人の無実が証明される、などとストーリの結末を切り替えることさえ可能だ。インタラクティブ性が高くなって、静的コンテンツがテレビゲームに限りなく近づいている。

 これに対して書籍は未だ映像で言うところのリニア編集の世界である。もちろん、紙であるメリットも大きい。先月、大日本印刷の市ヶ谷工場を見学する機会を得た。活字の部署は電気が消えていて、社員は1人もいなかった。電算写植の部署も作業している人は僅かだった。これに対してMacで作業している部署には活気があった。ほぼすべての編集/製版作業はコンピュータによって進められている。しかし、最終的にはデジタルデータはアナログに戻され、巨大な輪転機にかけられ紙に印刷される。そして、アナログに戻された本をWebというデジタルの世界で販売しようとしている。う〜ん。不思議な世界だ。

 出版業に携わる前、漠然とではあるが、本の流通はカバーに印刷されているバーコードで管理されていると思っていた。インターネットで企業のホームページが登場し始めた頃、FedExが荷物をWebから検索/追跡できるシステムを構築した。元々インターネットにはGopherなどのアカデミックな検索システムがあったが、FedExは趣味的なWeb利用を商業利用にシフトさせる画期的なシステムであったように思う。たとえば「ISBN番号」、「2002年7月」、「東京都」をWeb上で入力すれば、検索結果として指定した版元の販売実績やインベントリが瞬時に表示されたり受発注が簡単に行えるビジネスモデルが近い将来確立されるかもしれない。

 出版の仕事を始めたものの現実は厳しく、取次会社さんや書店さんにも足を運んだが、なかなか難しい。色々と大変な出版業界。しかし、頑張ってやっていきたい。

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