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【たかが名前、されど名前】

「不思議だな」と思っていた現象に名前がつく。たったそれだけで安心感を得たという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
自分の身体の不調にきちんとした病名がつくときなどは、それが顕著に感じられると思います。しかし、それが心の状態に起因する病気だったりすると、周囲からは単なる性格だとみなされてしまい、なかなか病気と認められず苦しい思いをしている人が多いという現状があります。
たとえば、「少しの汚れが気になって気になってしかたがない!」という場合、これは単なる「気にしすぎ」な性格か、あるいは、「強迫性障害」という心の病気かもしれません。
この場をお借りして、この病気に関する弊社刊行の書籍をご紹介させていただきます。

申し遅れました。私、彩図社編集部の栩兼紗代と申します。版元日誌上に登場するのは今回が初めてです。弊社について簡単にご説明しますと、サブカルチャーや歴史もの、旅行書、雑学本など幅広く刊行している総合出版社です。

ご紹介するのは、『ぼくは強迫性障害』

という文庫エッセイです。昨年10月に刊行され、ありがたくも多くの反響をいただき重版にいたりました。

強迫性障害は、「戸締まり確認を何度もしないと気がすまない」「何度も手を洗わないと不潔な気がする」「運転中に何か轢いてないか異常に不安になる」といった症状が特徴で、「気にしすぎ」な性格と違うのは、本人がそれを「やめたいと思っているのにやめられない」ところにあります。先進国での発症率は100人に2~3人と、低くはないにも関わらず知名度がそれに伴っていない病気といえます。

実際に読者の方からいただいた声の中で多かったのが、「やっと病名がつくことを知ることができた」「同じような症状の人が他にもいて安心した」というものでした。
この本の著者も、はじめは「困った性格だな、治らないのかな」と一人で悩んでいたそうです。しかし、あるとき医者にかかって、自分が「強迫性障害」という病気であることを知りました。そのとき著者は、病気という診断に驚くとともに、「それなら治るかもしれない」という希望を抱くことができたといいます。

正直に申し上げると、昨今のどんどん増えていく多種多様な病名の数々についていけていない自分がいました。しかし、症状に悩んでいる方からすると、たった数文字の「名前」こそが拠り所になる。「自分はこういう病気なんだ」と知り帰属欲求を満たされることが、大きな安心につながる。それを改めて認識するとともに、そうした情報を、本を通して提供できたことを嬉しく思う次第です。
自分もいろいろ気にしすぎかも、と心当たりのある方は、ぜひ一度お手にとってみてください。

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