はじめての企画「いじめ・不登校ゼロ作戦」
初めまして。海鳴社の横井と申します。
この度、私が企画しました「いじめ・不登校ゼロ作戦」の著者である大沼謙一先生との出会いと出版に至るまでの経緯をつづりたいと思います。
ある日、家族旅行で伊豆大島へ行った時のこと。
三原山の噴火口付近を散策していると、馬を連れた男性2人が側を通りかかりました。三原山への観光乗馬の方でした。
子どもが靴ずれをしていたため、乗せてもらうことに。
馬を連れた男性の1人は大島にある小学校の校長先生でした。
「最近、腹が出て来たんでこうやって歩かせてもらってるんだ。
ところで、豊洲に住んでいるんだったら大沼校長先生を知らないかい?」
当時、我が子はまだ入学前だったため、私は知りませんでした。
「大島出身で有名な名物校長なんだよ。なんだ知らないのか~。」
と、その校長先生はがっかりされた様子でした。
半年が経ち、いよいよ我が子が入学のため、学校説明会に。
初めて見る大沼校長先生。
「大島の校長先生はあんな風に言っていたけど、一体どんな先生なんだろう?」
興味深々です。
そこにはテキパキと仕切る、校長というよりはまるでベンチャー企業の社長さんのような、アイデアマンでスピーチ上手な先生が立っていました。
「うちの学校はいじめによる不登校ゼロです!」
こんな校長先生だったら安心して子供を預けられるな。そう思いましたが、残念なことに、大沼校長先生はすぐに転勤になってしまいました。
そして様々な校長先生が入れ替わり立ち代わりすることになるのですが、驚いたことに校長先生の手腕によって学校の体制が大きく変わるんです。当たり前のようで、今まで校長先生の存在を感じたことがなかった私は、
「大沼先生がずっと校長先生だったら。」とつい考えてしまいました。
その気持ちがいつか「あんな先生が本を書いたらきっと面白いだろうな。」
という思いになっていきました。
編集長が「そんなに気になるのであれば手紙を書いてみては?」それは先生の本を企画してもいいよ、という意味でした。私にとって初めての本の企画。緊張しながらも大沼先生に手紙を書きました。先生からの返事は是非書きたいとのことでした。
そして打ち合わせのため、初めて壇上でしか見たことのない先生と個人的にお話しすることになりました。
先生曰く、「最近の保護者が学校に求める物は何だと思いますか?学力ではないですよ。学力は塾でしょ? 安心安全なんですよ」「いじめはいけませんなんて言っても仕方がないんですよ。だってやってはいけないって誰でも知ってるでしょう。いじめを無くすにはコツがあるんです」などなど、感心するお話ばかりでした。
やはりこの方に書いていただこう!
こうやって先生と出会い、「いじめ・不登校ゼロ作戦」の本が出来上がったのです。先生がどのような人物かと言うと、広く観察力があり、人が好きで人を大切にし、そして様々なことに感謝を忘れない。そんな方でした。出来上がった本を改めて読んで、私もそんな人物になりたいと心から思いました。