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「地方出版の可能性―北海道デジタル出版推進協会」

 先日、札幌の中心部にあった2つの書店が、ほぼ同時期に閉店しました。どの地域も同じような状況にあると思いますが、書店が減るということは販売機会も減るわけで、売上の減少傾向に拍車がかかるのではないかと案じています。
 また、この春には取次の日販が、北海道支店の店売在庫廃止を決めました。道内出版物の在庫はかろうじて残りましたが、他の地域でも大手取次が店売在庫を廃止する事例が出ているようです。取次としては東京に商品を集約することで在庫を減らし、効率化を図りたいのでしょう。
 地方で出版を続ける身にとって、状況はますます厳しくなるばかりです。そんな中で可能性を感じているのが、一般社団法人北海道デジタル出版推進協会(略称HOPPA)の存在です。

 そもそもHOPPAは、札幌市中央図書館が電子図書館の開設を目論んだことをきっかけに誕生しました。地元出版物の電子書籍収蔵を優先したい図書館側の働き掛けによって、電子化から納本(販売)までを担う地元出版社の連合体として、2013年に設立された組織です。
 現在、小社も含め16の会員社で構成されており、活動の第一義を「北海道の地域研究資料、文化・歴史資料、道内出版社・雑誌社の刊行物や地元作家・研究者らの作品、自然や歴史資産を対象とする写真集等の電子化事業」としています。電子化された成果物については、札幌市中央図書館への納本はもちろんのこと、他地域の電子図書館や一般電子書店などへの販売も手掛けるようになっています。
 しかし、小生がHOPPAに期待しているのは、デジタル出版よりむしろ紙の本の可能性を広げることです。この会の設立によって、ふだんはなかなか顔を合わせる機会の少ない地元出版社が、定期的に顔を合わせるようになっています。こうした交流から、出版社同士のコラボレーションによる販売促進や販路の拡大ができるのではないかと個人的に期待しています。
 HOPPA代表理事の林下英二さん(版元ドットコム会員の中西出版代表取締役でもあります)も、「うちの会員社は競合する商品がほとんどない。だからこそ、手を組んでやれることがあるはずだ」とよく話されます。設立から3年、まだ道半ばの組織ですが、厳しい経済状況の中で地方出版を続けていくためにも、HOPPA会員社同士のコラボレーションを模索していきたいと考えています。

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