出張販売、売上の法則?
日本学術会議に登録された学術的な研究集団には様々な分野の学会があります。弊社の専門分野は、農業経済・経営、食料問題等が中心ですが、関連する学会だけでも10以上の学会があり、全国各地で研究大会を開催し、シンポジウムと個別研究発表会を行っています。
弊社では、このような学会の大会におじゃましては、書籍の展示・販売を行っています。先月は、都内の大学で開催された学会で大会事務局協力の協力をいただいて、会場内の一角で販売をさせてもらいました。
この日は、大学の先生方を中心に、研究者・企業関係者・一般の方も含め、約300人が来場しました。弊社が発行するような専門書の中でも学術書は、大型書店以外ではなかなか置いてもらえないこともあり、このような関連書籍を揃えた展示・販売会は、来場者からも好評をいただいています。
弊社は、新会社として出発して今年で6年になりました。年間20冊~25冊を発行していますので、出版点数もなんとか150点を超えました。設立当初から関連学会で販売させてもらっていますが、初めの頃は、展示する本が数点しかなくて、なんとも寂しい展示販売でした。最近はむしろ、冊数を絞り込むのに苦労しています。
今回は、学会の研究テーマなどを参考に、50点130冊を選書し、“大会特別価格2割引”で販売しました。予想通りに売れた本、意に反して売れなかった本、予期せず売れた本、何度経験してもなかなか読めないのが展示販売の面白いところでもあります。今回売れた本は、髙橋正郎著『日本農業における企業者活動』と、今学会で学術賞を受賞した、荒幡克己著『減反40年と日本の水田農業』でした。もちろん、どちらも予想通り売れた本です。
ところで、タイトルの「出張販売、売上の法則?」ですが、過去の出張販売の経験から導き出した法則で、“売上冊数は出展冊数の2割”というものです。開催する学会や規模によって出展する冊数はまちまちですが、過去の統計データから概ね2割になることがわかってきました。ちなみに今回は、130冊を展示しました。おのずと販売部数がわかってしまいますね。
売上額や採算はともかく、弊社発行書籍の大多数の読者であり著者でもある、大学の先生方や、研究者の方々が一堂に会する学会大会は、貴重な情報交換の場でもあります。多少の赤字には目をつぶって、今後も地道に全国各地を訪ねて出張販売を続けていきます。
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