本と子供が見せてくれる新しい世界
小社は錦鯉専門の月刊誌や語学書などを中心に、本社のある山口県関連の書籍などを作っている版元です。また、いくつかの版元さんの発売元も務めております。以前の版元日誌でも書いたんですが、「はじめまして」の方もたくさんいると思うので、改めて少しだけ。
ニッチ(?)な錦鯉の世界には、さまざまな業界に愛好家たちがいて、普段はなかなか知り合えないような方々の池を訪問してお話を聞けたりするのが楽しみの一つ。日本での錦鯉シーズンは秋から春。いまの時期、錦鯉生産者さんたちは産卵シーズンで忙しく、イベントは少なめですが、秋冬のハイシーズンになると世界中からバイヤーが来日し、各地で品評会やオークションが開かれます。いまや錦鯉を愛好する趣味は世界中に広がっていて、一説には輸出総額ウン十億円。日本の“国魚”、がんばってます。
語学書ジャンルでは、著者がおもにアメリカ人で、日本人女性と結婚して日本に住んでいる方々なので、日米比較のお話は本当に興味深くいつも聞き入ってしまいます。どちらも英語をよく使う業務なのですが、何年経っても“用足し英語”からなかなか脱することができず。毎年お正月には「今年はもっときちんとした英語を」と、意気込むんですけどね……。まあ、自社書籍の話はとりあえずこのくらいで。
前置きが長くなりましたが、今回は発売元を引き受けている風鳴舎さんの教育関係の近刊『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援』と新刊『90%は眠ったままの学力を呼び覚ます育て方』を紹介したいと思います。
現在2人の子供を育て中&保育園利用中の身としては、どちらもタイトルを聞いてからずっと、流通担当の立場も忘れて読者の立場で中身が気になっていました。(詳しい書籍の内容については、該当ページをご参照いただければ幸いです)
新刊『学力を呼び覚ます育て方』は、高校教師のシングルマザーである著者が、自分の子育て及びこれまで何千人もの生徒を指導してきた経験から生まれた書籍です。ふだん育児書などはめったに読まない、ずぼら母の私ですが、こちらはゲラをいただいて一気読み。学者の先生ではなく、子供と一番長い時間を過ごす“お母さん”目線の本なので、すっと真っ直ぐに心に入ってくると思います。
あとがきにこんな一文がありました――「子育ては何よりも楽しい、ワクワクとする人生最大の大仕事です」。
まだその入り口に立ったばかりだけど、そうか。そうなのか。これから約二十年、そんな大仕事が続くのか。そう思うと、奮い立ちます。あわただしく過ぎていく日々の中で、足を止めて、子供たちの目を、顔を、ゆっくりと見つめ直す良いきっかけをいただきました。
本や物語が好きな理由は人それぞれにたくさんあると思いますが、私にとって最大の魅力は「自分の人生だけでは行けない場所、見られない世界に触れられること」です。また、子育てしていると、これまでの自分では絶対に興味を持たなかったであろう世界(虫とかヒーローとか妖怪とかプリキュアとか、いまんとこそんなのばかりですけど)にも触れる機会が激増。しかも、意外にそれらを楽しんでいる自分がいたりして。「育児と本を読むこと&送り出すことの魅力って共通点がある!」なんて思ったりもして。錦鯉・英語・保育園・子育て……公私共に自分ひとりの力では出会えなかった世界に触れて新しい扉が開かれる。そんな環境に感謝感謝の日々です。
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