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文部科学省の学校図書館整備施策

 今回は、学校図書館の現状について少し書かせていただきました。
 全国の小学校・中学校・高等学校の学校図書館は、出版文化を支えるものの一つです。子どもたちが自由に読書を楽しむことができて、調べ学習で知的好奇心を育てる場所です。
公共の学校図書館の図書購入は、毎年市町村ごとに予算が決められ、各学校の司書教諭を中心に蔵書計画が立てられ、それを基に購入されていきます。蔵書冊数の目標は、文部科学省の「学校図書館図書標準」に定められています。それが、どの位の規模かというと次のようなものになっています。
小学校の場合、学級数が12(1学年2学級)の学校で7960冊
中学校の場合、学級数が12(1学年4学級)の学校で10720冊
この蔵書を全校生徒で利用するわけですから、この標準冊数は、最少限度の冊数と言えるでしょう。
そして、現状の学校の蔵書冊数ですが、全国平均で以下の状態です。
小学校で図書標準達成校 56.8%  中学校で図書標準達成校 47.5% 
                  (平成24年5月文科省調査)  
小学校も中学校も約半数の学校が文科省が制定した蔵書標準に達成しておらず、不足しているということになります。

 上記のような、学校図書館の現状をみて文科省は「学校図書館図書整備5か年計画」を策定し、特別の予算を講じることにしたのです。この施策が始まったのが何と20年前の1993年でした。そして、予算額は毎年約200億円というものでした。この額が、通常の図書予算に上積みされていくという話だったのです。
 ところが、この予算を図書費として現実化するためには、かなりの障壁がありました。地方交付税での措置なので、何に使用するかは、市町村ごとの議会で決められるということだったのです。学校図書費のために措置された予算が、図書ではなく他のものに使用されていったということです。
 この予算が、まともに学校図書館に充てられていたら、前記の図書標準などは、すぐに達成していたはずです。誠に残念なことです。
 皆さんは、お子様の学校図書館を見たことがありますか?まず大方の学校は、「これが先進国の学校図書館か!」と叫びたくなる位、ひどい状況です。予算が少ないので、新刊を充分に買うことができず、古い本ばかりですし、日焼けで表紙のインクが飛んでしらっ茶けたものもそのまま並んでいます。
 この20年の間、児童書業界は、この予算を正常なものに使用されるようにと地道な広報活動を行ってきたのですが、満足な効果は出ておりません。
 市議会で予算化させるにあたって、効果があるのは、PTAからの声を大きく学校にぶつけることだと言われています。皆さんもお子様のために「学校図書館のための予算が出ているようだが、どうなっていますか」という問いを担任の先生や学級懇談会などで発言してみてください。以下のホームページに内容が掲載されたチラシがあるのでプリントアウトして先生方に渡しましょう。お子様の学校図書館にこの予算が付くかもしれません。

学校図書館整備推進会議
http://www.gakuto-seibi.jp

文部科学省 学校図書館関連資料
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/link/1318154.htm

文部科学省 学校図書館図書整備チラシ
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/03/06/1317831_3.pdf

現在の学校図書館図書整備計画は、平成24年度から平成28年度までの施策で継続されています。上記HPの文科省のチラシにも掲載されていますが、1年間で200億円が用意されています。
日本の知的文化を支え、また出版文化を発展させていくために、学校図書館は大きな役割を果たしていると言えます。
今回は、学校図書館事情を、ご報告させていただきました。(了)
 
 
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