本当においしいもの、食べてますか?
皆さんこんにちは。
ちょうど去年の春に版元日誌を書きました「お菓子屋さんが出版社」イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ企画です。
パティシエである社長の弓田(我々は親しみを込めて「ボス」と呼んでいます)が、今、お菓子と同じくらい力を入れているのが、日本の家庭料理です。何故パティシエが和食を? と思われる方も多いでしょう。
かつて、フランスと日本の素材の違いに苦しみ、フランスと同じ味わいのフランス菓子を日本の素材で作るため、自分の中に味の“imagination”(イマジナスィオン)を作ってきた姿勢と、今の、乱れた食事情の日本において、本当においしいもの=真実の味わいを伝えたいという気持ちは、全く同じ動機からきているのです。
今、ボスが日本の食に持っている“imagination”は、かつて自らが子供の頃に食べていた味です。大地には微生物がいて、ミネラルがきちんと循環する仕組みが出来ていた時代。本当にボスは、何十年も前に食べた味を覚えていて、その記憶力は凄いな、と思います。渡した原稿はなくしたりするのに…。天は二物を与えず、とはこのことでしょうね。
今や、農薬で汚染され、痩せてしまった土地。そしてさらに栄養素を逃しているのが、「灰汁抜き・下茹で」などの、料理法。そして電子レンジや冷凍・解凍が、栄養素を破壊していると説き、そのような乱れた食から日本人の健康を取り戻すために考えられたのが、砂糖・みりん不使用。灰汁抜き・下茹で不要。イリコを中心としたダシで味を調える「ごはんとおかずのルネサンス」であること。そして、2001年に試作を始めてから早9年が過ぎ、その間に3冊のレシピ本を出版しましたが、まだまだ、多くの人に広まっているとは言えません。そこで、これまでのボスの一連の考えをまとめたものが、このたび出版した『失われし食と日本人の尊厳』なのです。
大著です。440ページもあります。普通の出版社であれば、短くして出すか、分冊するか、どちらかだと思います(もしくはボツになる、という可能性だってありますよね?)。
でも、うちはある意味、ボスが自らの言葉一語一句漏らさず世に送り出したいと願って出来た部署ですから、「普通」じゃなくていいのかなぁ、と、思っています。それが面白いなぁ、とも。売れるのかどうか、受け入れてもらえるのかどうか、かなり不安であります。でも、書店に並び始めてから(1月15日から書店発売しています)、読者ハガキで「今までの考え方が180度変わりました!」「二児の母として、まずはごはんを作っていきたい」といったお便りを頂き、「売れるかどうか」でジャッジされたら、絶対出せない本だったものが、少しでも、誰かの、食を変えるキッカケになったことは確かなのです。
そういう意味で、この本は、うちだから出せた本、として、象徴的なのではないかな、と最近思います。
食は、家族を結ぶ絆であると言うボス。
とあるインタビューの席で「ごはんとおかずのルネサンスの料理を子供の頃から食べている子が描く絵を見たことがあるんだけれど、世界を一つの調和したものとして大きく捉えていたんです。食べ物がどれだけ子供達の心にも影響をしているのか、分かる例だと思います」と言っていたことがあります。
科学的根拠は? と言われたら、何もありません。でも、確かに、おいしいものには栄養があるような気がします。
うちは、お店や教室があるので、直接本を買ってくれる人が見えるのがいいところなので、やはり食べてもらうと説得力があるんですよね。何故なら、おいしいから。おいしさで納得しちゃうんです。それは、お菓子も、料理も同じです。
ごはんとおかずのルネサンス講習会も、これまで本に載っているものから、まだ載っていないものまで、毎月季節に併せて開催しています。本に載っているものを、実際に食べて確かめることが出来る、というのは、うちの最大の特徴でもあるので、それはもっとうまく販促に繋げて活用したいなぁ、と日々考えております。
ちなみに、これを読んで、「私も日頃から健康が気になる」と思っておられる、不摂生が多い出版業界の皆様。もしご興味ありましたら、ぜひごはんとおかずの講習会に来てみませんか? うちの講習会はお腹がはち切れるほど食べさせられるので、腹ペコで来て下さると有難いです。
こちらのブログで逐次講習会情報を紹介しています。
■ごはんとおかずのルネサンスインフォメーションblog
http://renaissance-gohan.cocolog-nifty.com/blog/
お問合わせはまずは出版部まで(TEL:03-3476-5214)。
今年のイル・プルー出版部は、「2010年はごはんの年」として頑張っていこうかな、と思っている次第です。どうぞ宜しくお願いします。
(何だか、ちょっと支離滅裂な文章ですみません・・・)