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インターネットからの出版

はじめまして。
アルファポリスの梶本と申します。
昨年10月に版元ドットコムに入会いたしました。

弊社はおおざっぱに言うとインターネット上で人気のある作品を本として出版するという形態でやっております。設立は2000年8月。当初は地方小出版流通センター様にお世話になっていましたが、2002年より星雲社様経由で書籍を流通させております。

インターネットで人気のある作品を出版する、といってもやはりそう簡単に思惑通りいくものでもなかったりします。当たり前ですが。
「ネットの上の人気」=「本の売り上げ」では決してありません。もちろんある程度のリンク性はあるのですが、ネット上のアクセス数・読者数と実際の本の販売部数はまた違った結果が出てきます。インターネットで小説やエッセイ・ブログなどを熱心に読む人たちと本屋で実際に本を買う人たちはまた違う。あるいは同じ人たちでもネットで読むコンテンツと本屋で買う本は違う。それはそうですよね。もちろん一番大きなことは本のつくり方、つまり編集次第であるということなんですが。

初期のころ、それを頭では分かっているつもりでも実際には分かっていませんでした。ネットでそこそこ人気だった本が期待通りスマッシュヒットになり、自信満々に。次はネットで非常に人気のある作品だ、これは売れること間違いなし、と当時の弊社にしては破格の部数を刷りました。しかしあてが外れて全く売れない。実売200〜300部くらいだったと思います。まだ会社を立ち上げたばかりで運転資金も乏しく(今も潤沢ではないですが)一冊一冊が命運を握っている状態だったのでこれは物心ともに相当こたえました。

そして自信を失ったときに次に出す本。ネットでそこそこ人気のある男性作家による恋愛小説。とてもよい小説で読み終わったときは大変感動、興奮しました。これは口コミで広がり、その後メディアにうまくとりあげられたらもしかしたら10万部くらいいくかもしれないと本気で考えていました。自信満々のころですね。しかし前作での失敗で完全に自信を失っています。前の作品と比べネットでの人気は明らかに数倍劣る。しかも最も売れない「無名の素人の書いた小説」だ。増幅した自信が、その分の振り幅で収縮してしまい、おっかなびっくり初版1000部でスタートしました。

全く売れない在庫の山を覚悟していましたが、幸いにも本はそこそこ動いていきました。小部数ですが増刷もして、小さな書評にも3つほど載りました。そして本が店頭から消えてしまってからしばらく経った後のことです。静かに進行していたTVドラマ化が正式発表され、本当に10万部まで売れる本となりました。ネットで人気があるからといって簡単に売れるわけではない、のと同様に、ネットであまり人気がないからといって決して売れないわけではない、ということを続けて教えられることになりました。

その後も紆余曲折、試行錯誤で今日まで出版を続けています。おかげさまで弊社から2冊目、3冊目、さらに重ねて出される著者の方が大変増えています。冒頭に申し上げた会社紹介とは少し異なり、今では「インターネットで人気のある著者を発掘して」出版をしていると申し上げたほうがいいかもしれません。特に最初に出した本が全く売れなかった著者と、次の本では構想から一緒に進め、ヒットさせたときは編集者の醍醐味を満喫する瞬間です。

アルファポリスはそんな出版社です。皆様、宜しくお願いいたします。

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