明らかになったこと
最近制定された健康増進法とかいう法律の影響だろうか。一日に一万歩は歩こうなんてことを言い始めた人々が周りに少なくない。仕事の関係で会う人や、学生時代の恩師、両親までもがいつの間にか万歩計を身につけていた。
メタボを気にするような世代の流行かと思っていたが、どうもそうではないようだ。ある日、同世代の友人も嬉しそうに万歩計を見せてくれた。聞くところによれば、一日中家から出ずにのんびりと家事をこなす高齢者でも一日3000歩くらいは歩くものだという。
坂本龍馬や伊能忠敬が歩いた道のりをトレースする機能がついたもの、歩いた歩数によってデジタルペットが育つもの、消費カロリーを計算するもの、防犯ブザーが付いているもの、ラジオが聞けるものなど、万歩計にも多機能化の波が訪れているらしい。
そんなこんなで、私も万歩計をポケットに入れるようになった。
実際に持ってみると、それなりに気になるもので、ふと気が付くとポケットから取り出し歩数を確認してしまう。これまでの万歩計といえば、揺らすとカタカタという音がして、まさに「今、数えています」と言わんばかりだったが、最近の万歩計はかなり違う。3Dセンサーで歩いていることを感知するらしく、カタカタ音など一切ない。さらに、少しぐらい揺すったところでデジタル計はまったく動かない。どうも何歩か連続して歩かなければ、歩いているとは判断してくれないようだ。
さて、私の日常を振り返ってみると、とくにお遣いもなく事務所でカチャカチャとパソコンをたたいていた日は5000歩程度、ちょっと林野庁までお遣いに出かけた日は7000歩、雑誌の取材や出張に出かけた日は13000歩、というのが大体の数値のようだ。休日、家に籠もっているときなどは800歩にもみたない。万歩計を持ってしまったことで、“運動不足”という結果が、数値としてはっきりとはじき出されてしまった。もっと忙しく動き回っているはずだったのに、これでは忙しい気になっていただけだということが上司にばれてしまうではないか・・・。
自分の日常歩数がわかってくると、周りの人の数値も気になってくる。一番歩く仕事とは、はたしてなんであろうか。版元という職場で働く人々の平均日常歩数も是非知りたいと思う。
万歩計・・・私のはいいところ千歩計だ。私の万歩計は、おそらく6桁までの数字を表すことができるが、一日にそんなに歩く日が今後訪れるのであろうか。これからが楽しみだ。
版元日誌初登場、日本林業調査会の金井でした。