みんなで悩んだ発行のタイミング
災害というものは、あるときには運命的なタイミングで起きるものです。
というとあまりにも大げさですが、そのぐらい弊社シーコースト・パブリッシングにとって、5月12日に起きた中国・四川省の大地震は衝撃的でした。なぜかといえば、そのときはまさに6月初旬への発売に向けて、新刊「パンダづけ」入稿のラストスパート真最中だったからです。
この本は、『楽しみながらパンダの保護』という何とも素敵なテーマのもと、活動を続けていらっしゃる「パンダ幼稚園」さんに協力していただいて誕生した1冊。四川省の「臥龍中国パンダ保護教育センター」にいる、かわいい「こぱんだ”QQちゃん”」の自然な姿を配信する人気ブログを書籍化したものです。
四川省は、QQちゃんをはじめとしたパンダがたくさん生息する地。そこで大地震が起こってしまったために、一時は本が発行中止か!という危機に見舞われました。「パンダや保護センターのスタッフの無事もわからない中で、本を出してもいいものだろうか?」と、この本に関わったみんなで考えました。
その結果、本の売り上げの一部をパンダ保護活動のために寄付させていただくことにして、発行することにしました。
あえてこの形をとったのは、「大丈夫?」という遠くからの声がけよりも、小さな力でもいいから手を差し伸べることが、大地震後の四川省にとって必要なことと考えたからです。
「パンダ幼稚園」の中身は、QQちゃんの写真が4コママンガ風に読めるほか、QQちゃんと一緒に学ぶ中国語やQQちゃんが答える!?お悩み相談室、謎のこぱんだ「やんやん」のマンガ、パンダの生態や保護活動についてなど、内容盛りだくさん!手前味噌ながら、作成側の自分たちも本を作りながら、ホッと癒されたりキュンとときめいたりしてしまった1冊です。願わくは、より多くの方々に本を楽しんでもらい、四川省復興の後押しの力になればと思っています。