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「マイ ガーデナー(MY GARDENER)」滑り出しは好調!

 紡木たく著「マイ ガーデナー(MY GARDENER)」が出版されました。こんなに小さな出版社が、「紡木たく」という大作家の作品を出版してもいいものだろうか、著者の名前を傷つけないだろうか、と不安でしたが、とにかく出来上がりました。読者の反応が気になります。

 いろいろなかたの応援があり、滑り出しは好調で、初版は書店さんからの注文でいっぱいになり、すぐに重版で追加注文を受けることにしました。取次に搬入してすぐに、重版でも足りないことがわかり、3刷のことを考えはじめました。さて、何部増刷しようかとうれしい悩みです。

 本書の編集でいちばん戸惑ったのはネームでした。著者にとっては、「文字も絵である」という思いを私がなかなか理解できなかったのです。
 内容について少しふれておきたいと思います。この物語のテーマは「無償の愛」です。この世にあって私たちはいつも打算的に動いています。愛している、といってもそこにはたぶんに打算的な愛の姿があるはずです。そんな打算ではない「ほんもの」の愛なんて、はたして存在するのだろうか、それを追い求めています。
 紡木さん独特のセリフ、読者に考える余地を残しておく詩的な絵柄、背景を描き込まない白の多い構図、これらが一体となって、哲学的ともいえるコミックに仕上がっていると思います。

 「新文化」という出版業界紙の12月6日号に、この本について、以下のような記事が掲載されましたので紹介させていただきます。

“幻の漫画家”12年ぶりの新作–紡木たく「マイ ガーデナー」

 熱烈なファンをもちながら、12年間にわたって休筆し、“幻の漫画家”ともいわれていた紡木(つむぎ)たくさんが、このほど新作を上梓し注目されている。編書房刊(星雲社発売)のコミック『マイ ガーデナー』(本体1500円)で、12月6日に発売された。
 紡木さんは1982年、17歳のとき、「待ち人」(集英社「別冊マーガレット」)でデビュー。柔らかく繊細なタッチの絵と余韻・余情のあるセリフで独自の世界を創出し、少女漫画のジャンルに新風を送り込んだ。 
 その後、同誌に連載した「ホットロード」で人気急上昇。読者と等身大の少年少女の内面を鮮やかに描き出し、中高生の圧倒的な支持を得た。しかし95年以降はまとまった作品はなく、事実上の休筆状態が続いていた。
 今回は待望の新作、しかも連載でなく最初から単行本を意図した描き下ろしということで、早くからファンだけでなく書店の期待も高まっていた。
 本書のテーマは「無償の愛」。主人公の16歳の少女、さなと、彼女を取り巻く家族、友人、飼い犬らが織りなす日々のできごとが一見淡々と綴られる。そのなかにもさなを不安定にする様ざまな要因が潜み、それによって自分の居場所を探し求める16歳の心は揺らぎ翻弄される。しかし、義父が語る「無償の愛」を認識することで、心の平安を見つけ出していく。
 同社代表の國岡克知子氏は「絵でも文章でも多くは語らず、作者が語っていない余白の部分を読者が補い読み解いていくのが紡木作品の特色であり、他の作家にない魅力」という。  
「ホットロード」以来の愛読者で、現在30~40代の女性ファン層を中心に予約や書店の事前注文が相次ぎ、発売前から重版が決定している。(「新文化通信」2007年12月6日号より転載)

多くの読者に手にとってもらいたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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