間もなくスタート「ドットプレス出版サービス」
はじめまして、鎌田純子です。この度、版元ドットコムに参加することになりました。
株式会社ボイジャーでセールス&マーケティングを担当しております。
わたしたちボイジャーは1992年から電子出版一筋で活動しています。石の上にも三年、住めば都といいますが、電子出版の13年はなかなか明けない夜が続いてきました。ようやく光がさしてきたように思います。現在最終仕上げ作業中の「ドットプレス出版サービス」は、出版権をお持ちなら1作品1,000円から電子出版できるというものですが、これはデジタル環境がよくなったからこそ始めることができたものだ思います。
■電子出版って何だろう
コンピュータで作る/コンピュータで届ける/コンピュータで読む、出版のことです。
今は「電子出版」と言っても驚かれなくなりました。出版に関係するところでほかにも図書館、書店がありますし、ネットもウェブも、コンピュータは生活のあらゆるところに入り込んでますから馴染んできているのでしょう。ボイジャーでは寺山修司生誕70周年を記念して作品集をウェブマガジン化しましたが、関係者の方たちの電子に対する見方も変わってきたなと実感しています。
■紙のほうがいい
よく言われます、やっぱり紙の方がいいよ。同感です。紙の出版ができるならばわざわざ電子出版することはないと思います。携帯電話による本の配信サービスが注目されていますが、残念なことに使い方を覚えるとか買い方を覚えるとか、読者が何か不自由な体験をしないと電子本は読めないんです。配信にしても制約が多く不透明で、制作方法は従来とまったく違いますから、出版社が少し距離を置いているのも無理のないことです。電子出版を広げるためにはこの不安定で不自由な状況を打ち破らなければなりません。
■T-Timeは今そこにある液晶デバイスを本にする
今年ボイジャーは2つの提案をしました。1つは読者がすでに持っている液晶デバイスを読書端末として使ってもらえるようにすること。電子本ビュワーソフト「T-Time 5.5」のリリースで現実の形になってきました。2つめは誰もが出版活動できるようにすることです。その仕組みを「ドットプレス」と名付けました。ワープロ、DTPに続いて役に立つデジタルとして考えていただけたら大変嬉しいです。
■ドットプレス出版サービス
まだ入り口のURLを公表していないのですが、プレオープン中ですのでお気軽にお問い合わせください。テキストファイル、MSWORDファイルなどをお送りいただき、1000円から作ることができます。これは電子本ドットブック形式に変換する費用です。1部ごとにかかる費用ではありません。出来上がったドットブックは配信サーバーからインターネットを通じて読者のパソコンへ届きます。印刷代がない、在庫リスクがないということです。販売はボイジャーへ委託していただくこともできますし、ご自身で販売することもできます。ご利用の条件は、T-Timeやazurの商品版ユーザーであること、出版権をお持ちであることの2つだけです。
少しでも電子出版を身近に感じていただけたでしょうか。