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〈暴露本出版社〉鹿砦社が4月よりスキャンダル誌を創刊します!

 前回のこのコーナーに掲載していただいた拙稿について、業界関係者をはじめ予想以上の方々からリアクションをいただきました。読んでいただいた皆様、ありがとうございました。業界経験の浅い私の稚拙な考えを、戦々恐々ながら、あえてそのまま述べておりますので、至らないところがあれば、面と向かって「生意気言うな!」などと言っていただけると本望です。
 では、ここからが今回の版元日誌です。

 最近、芸能人の犯罪関連のニュースが多い。その度に目に付くのが、当の芸能人の呼称である。窃盗行為を告白したあびる優は「女性タレント」、島田紳介は「島田紳介司会者」、小泉今日子は「小泉今日子タレント」。遡れば、「稲垣吾郎メンバー」などが有名か。
 これらはつまり、各メディアが大手芸能プロダクションに配慮しているということだ。そうしなければ、今後の商売に関わる。つまるところ、メディアは(基本的に)「商売」だということだ。先に断っておくが、私はそのこと自体は批判しない。私も出版メディアで生計を立てている身である。
 でも同時に、メディアは「報道機関」であり「言論」である、ということも言わなければならない。それはただ単に、ニュースの「格」が落ち、それにより商売にも響くというだけの問題ではない。「報道機関」「言論」としてのメディアはどんな社会であれ必要だ。だから、その2つの間で板ばさみに遭うのは避けられないことである。そのときどきによってどちらかを無視するのではなく、ジレンマに真正面から向き合うべきなのではないか、ということが実は前回の拙稿のテーマで、無茶な理想論、極論を述べさせていただいた。
 そういえば、知り合いのアダルトビデオ関係者の話だが、某大手週刊誌にAV業界のエイズ問題についてインタビューを受けた際、そのことが原因で業界から総スカンをくらったそうだ。掲載された誌面は自身の意図するものではなかったのに、それが掲載されたのが大手誌だったということで、自分の無実を誰も信じてくれなかったと彼は嘆いていた。やはり、「格」の力は強い。
 いずれにしても、完璧な「報道機関」「言論」なんてありえない。実際はもっと泥臭い、人間の臭いが充満した業界だ。流通、製作の両面に関わりながら思うのは、出版業界の魅力とは、前述のジレンマの間にこそあるのではないかということだ。「売れて欲しい」と「読んで欲しい」の両者に対して真剣に向き合いつつ、活動を続けていこうと思う。

 というスタンスに立って(?)<暴露本出版社>鹿砦社は新雑誌を4月7日に創刊します。タイトルは『紙の爆弾』。「タブーなしのラジカル・スキャンダルマガジン」と銘打ち、政・官・財、大手企業や各種業界・芸能界裏事情など、ジャンル・フリーのスキャンダル雑誌です。われわれは地方の小出版社にすぎませんが、それだけにしがらみも少なく、まさに小社ならではの雑誌です。さらに、闘争の経験や、圧力に対しても闘うノウハウをある程度持っています。「要は売れればいい」などとは絶対に言いませんので、ご注目をよろしくお願いいたします。

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