つぶらな瞳
今、世の中は、純愛一色。
私も、他に漏れず、すっかり「冬のソナタ」にはまってしまった。純愛に、はまってしまったのかヨン様にはまってしまったのか、定かではないけれど。相思相愛の2人の間に次々に起きる外的事件、そして、それに増して2人の男の間を行き来する女の優柔不断さ。2人の男は、悲しみ、苦しみ、傷つきながらも1人の女を一途に思い、1人の女を奪い合う。断ち切れない恋。結局、ハッピイエンド。相思相愛の2人が結ばれる。
しかし、実らない恋、「冬のソナタ」では、サンヒョクの恋。好きで、好きで、でも彼女の心は、他の人にある。『愛してなくてもいいから、僕のそばにいて・・・』、あまりに切なすぎる。
てらいんくから8月に発売した「つぶらな瞳」も、男のただひたすら一途な片思いの恋ものがたり。今、ベトナムで若者に圧倒的な人気のベストセラー作家グエン・ニャット・アィンの作品の邦訳。
小学校にあがったばかりのころ「つぶらな瞳」の少女に出会ってしまった男のそれからの人生は、すべて彼女のためにだけあった。
彼女が、雀の卵が欲しいと言えば、命がけで屋根に上り、彼女をいじめるものがあれば勝ち目のない相手に立ち向かった。大人になってからも、彼の人生は、すべて彼女の「つぶらな瞳」のためにだけあった。しかし、彼女の心は、他に在る。他の男に騙され、傷ついて「つぶらな瞳」に涙を流しながら彼のもとにやって来るが、また、すぐに他の男に行く。そして、彼女は、未婚の母になる。それでも彼は、その子ども、母親にそっくりの「つぶらな瞳」の女の子を父親のように、又、自由奔放で留守する母親に変り面倒をみる。
断ち切れない初恋。決して愛を受け入れない女。『愛してなくてもいいから、僕のそばにいて・・・』。あまりに切ない男の純情。
男が可哀想で、切なくて、切なくて、溢れる涙を拭いながらのゲラ校正。
これは、きっと、女には、理解できない男だけの愛の一途さ?男って、本当は、とてつもなく純情で、純心なんだと人生半世紀を過ぎて初めてわかったような?
結末は、ハッピイなのか?アンハッピイなのか?読者の心が決める。
清らかな涙を久々に流したい方、共感する男の方、結末が気になる方、「つぶらな瞳」をぜひ、読んで。
ちなみに、今、韓流ドラマ花盛りですが、てらいんくの『モンシル姉さん』も、ヨン様が、子どもだった頃、テレビドラマ化されて、韓国の茶の間をくぎつけにした作品です。
韓国版「おしん」、朝鮮戦争下、けなげに生き抜く少女の物語です。