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衝突の向こうに見えるものは……。

衝突の向こうに見えるものは……。

一冊の写真集を偶然手にした。1960年代の大阪生野区『猪飼野』の風景。人。
パラパラめくると懐かしさと暖かさが胸にこみ上げてくる。
この地は、在日韓国・朝鮮人が多く住む場所。モノクロの写真のなかで、子供たちの顔。ハルモニ(おばあさん)たちの顔があり、凛とした逞しさが映し出されている。決して楽ではない生活。民族差別の厳しいなかで生きる逞しさが笑顔にきざまれている。この笑顔に心うたれる。

9.11以後の世界は、これまで培ってきた世界秩序が一気に変わりつつある。大量破壊兵器の保有、テロ国家と言った「認定」戦争が開始され、『正義』の名の下に多くの罪なき人々が家を奪われ、生命を奪われる。
テレビニュースや新聞は、奪われる側ではなく、奪う側の「正義」を強調する。正しい情報は、新聞やテレビだけでは決して得られない。図書館にブッシュやイラク戦争がらみの書籍をリクエストするとすでに貸し出されている。何人もの人が後に続く。アフガニスタンの戦争の時にも、中村哲医師の講演会に多くの人が、アフガニスタンの本当の状況を知りたいとつめかけた。イラク戦争開始の時も世界中の人が攻撃反対のデモに参加した。
いまだに続くアフガニスタン、イラクの戦争状況の渦中に私たち自身がいることを考えざるを得ない。
世界の人々はこの状況をどのように見ているのか? 日本はどこに行くのか?
さまざまな意見を聞き、自ら考えて行かなければただ流されてしまいそうだ。

衝突を超えて』 −9.11後の世界秩序− 本体3000円
ケン・ブース/ティム・ダン編 寺島隆吉監訳 塚田幸三・寺島美紀子訳 四六判上製
9.11の衝撃を経て「テロとの戦争」が 、ここ数年の世界的課題になりつつある。本書はさまざまな国の学者・有識者32名が執筆。テロ問題、軍事、法律、倫理、国際秩序などの専門家たちである。
内容的は、たとえば、イスラム原理主義による政治支配を「イスラム−ファシズム」と名づけ、アフガニスタンへの報復攻撃を正しいものとし明確に米国政府の肩をもつフランシス・フクヤマの論考。「歴史と9.11」、米国こそが世界最大のテロリストだと主張するノーム・チョムスキーの論考「誰がグローバル・テロリストか」といった論考が多数収録されている。

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